小麦粉粘土に関する素朴な疑問
3〜4歳になるといろんなことに疑問を抱くようで「なんで?なんで?」としょっちゅう聞いてきます。「なんでなんで期」なんて言われることもあります。
知っていることはその場で答えたり、ネットで調べて答えたりもするんですが、たまにこんな面白い「なんで」も出てきます。
「どうしてただの水じゃダメなのか?」…なかなか科学してますよね。
私もうまい説明が思いつかなかったので、実際に試してみることにしました!
実験してみよう!
用意したもの
・小麦粉
・サラダ油
・水
・大さじ・小さじ
・ポリ袋(①水+油、②水、③油と油性ペンで記載)
実験方法
1 各ポリ袋に小麦粉大さじ1を入れる
2 水と油をそれぞれ下記の分量で入れる
①水+油 水小さじ1 油小さじ3分の1
②水 小さじ1と3分の1
③油 小さじ1と3分の1
3 2の各袋をよく揉む
4 3の中身を取り出す
5 それぞれ触って比較する
実験結果
実験の結果、出来上がった小麦粉粘土はそれぞれ明らかに違ってました。
①水+油
色は薄黄色で、もちもちとして柔らかく、よくまとまる
②水
色は白で、ボソボソと硬く、すぐに崩れる
③油
色は黄色で、ベタベタと水っぽい
小麦粉粘土として遊ぶためには水と油を入れるとちょうど良い柔らかさになることがわかりました。
実験を終えて…
保育園児の素朴な疑問に対しては、「小麦粉粘土にするためには油と水を入れるとちょうどいいんだよ」でおしまいで良い気もしますが、もう少し大きなお子さんのためにもう少し調べてみました。水で練るとグルテンが作られて粘性と弾性(ネバネバしてゴムのように弾力がある性質)が付与されて、そのグルテンに油を加えると伸展性(伸びて広がる性質)が付与されるからなんだそうです。詳しい解説はページ一番下に書いておきました。
さて、作り終わった後は…砂糖を混ぜて形を作ってオーブン180度で二十分ほど焼くと、クッキーっぽいものができますので、おやつにもぴったりでした(笑)
夏の自由研究でお悩みの方、実験好きなお子さんをお持ちの方はぜひやってみてくださいね(^^)b
↓↓詳しい解説はこんなかんじ↓↓
小麦粉の中には10%前後「グルテニン」「グリアジン」というタンパク質が含まれています。
これは小麦粉に水を入れて練り合わせると水を吸って「グルテニン」は硬いゴムのような弾力のある物質に、「グリアジン」は流動性のあるネバネバとした物質に変わります。この2種類のタンパク質を混ぜ合わせた状態で水を加えると両方の性質(粘性と弾性)を併せ持った「グルテン」が形成されます。
ネバネバと弾力があれば粘土としては問題ないのでは?と思ったのですが、実験した通りそれだけだとボソボソで崩れやすくなってしまいます。
粘土として使えなくないことはないのですが、ギュッギュッとしっかり押さえつけないと形を形成しにくいので…小さい子どもが遊ぶには使いづらいです。
もう少し伸びたりひろがったりすると使いやすくなりそうです。
そう、実はグルテンに油を加えるとその伸びたりひろがったりする力「伸展性」という性質が付加されます。
グルテン同士の無理な結合をへらしたり、他の成分との接触を滑らかにする効果があるんだそうです。
これによって、のし棒で薄く伸ばしたり、細長いひものようなものを作ったりしやすくなるんですね。
そんなわけで、小麦粉をまとめて、ネバネバしたりゴムのように弾力があるようにするのが「水」、そしてそれに伸びて広がる力を加えるのが「油」ということなんだそうです。
他にも、塩を入れるとコシが強くなったり、バターなどの固形油脂を入れるともろくなったり変化があるそうです。
何を入れるとどうなるのか実験してみても面白そうですね。
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